最近昼間は暑すぎて食欲がなくなり、そうめんやうどん、そばなど、ついつい麺類ばかりになっていませんか?
特に食べやすい食べ物の代表格は炭水化物。
うどんや冷やし中華なんか、夏の暑い日にはぴったりですよね。
しかし、麺類に偏った食生活は身体に良くないのです。
本日は炭水化物の取りすぎが身体にもたらす影響についてご紹介します。
炭水化物(糖質)の種類とカロリー、1日の摂取推奨量は?糖質抜きダイエットはNG?

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伝統的に50パーセントから60パーセントを炭水化物から栄養摂取していると言われている日本人。
もともと炭水化物の摂取量が多い民族だと言われています。
炭水化物はブドウ糖などの単糖類がいくつつながっているかで分類されています。
ブドウ糖、果糖、ガラクトースが単糖類。
蔗糖、麦芽糖、乳糖が二糖類に分類されているのです。
単糖類と二糖類の多くは強い甘みがあるのが特徴。
消化吸収がはやく、血糖値が上がりやすく、食後高血糖の原因にもなるため、一度に多くを摂取しないよう注意しなければなりません。
炭水化物は大きく分けると消化吸収されてエネルギーとなる「糖質」と、消化吸収はされず、エネルギーにならない「食物繊維」に分けられます。
炭水化物のうち、蔗糖やでんぷんなどの糖質は、体内で1グラムあたり4キロカロリーのエネルギーを産生。
炭水化物は体内では、主に血中にブドウ糖として存在していて、血液中のブドウ糖の濃度のことを血糖値と呼んでいます。
食事をしたり、甘い清涼飲料水などを飲むと血糖値が上昇。
血糖値が高くなるとインスリンが分泌され、血糖値が減少します。
反対に、空腹になって血糖値が低くなるとグルカゴンなどのいくつかのホルモンによって血糖値が上昇する仕組みになっています。
血糖値は80から140ミリグラム/デシリットルという一定の濃度に保たれるようになっていますが、インスリンの分泌量が少なかったり、感受性が悪く、うまく働かなかったりすることを起因として、血糖値が高くなりすぎてしまうのが糖尿病です。
次の項で詳しく紹介しますが、炭水化物の過剰摂取は糖尿病にもつながるのです。
炭水化物の1日の摂取基準量
炭水化物の1日の摂取基準量は、男女とも1日に食事から摂取するエネルギーの50パーセントから65パーセントに相当する量になっています。
後ほど詳しくご紹介しますが、年齢によって基準量は異なるので自分の年齢に合わせて摂取量をご確認ください。
1日に摂取するエネルギーが1800kcal の人の場合。
50パーセントから65パーセントに相当するエネルギー量は、900キロカロリーから1170キロカロリーとなります。
先ほどもご紹介した通り、炭水化物は1グラムが4キロカロリーなので、これを4キロカロリーで割ると、225グラムから292.5グラムの炭水化物を摂取することが望ましいと言えます。
高齢者の一日あたりの摂取エネルギー量目安
エネルギーの摂取および消費のバランスの維持の指標にはBMIを用いるのが一般的。
目標とするBMI内に体重を設定し、肥満でもやせ型でもなく、普通を維持するよう心がけましょう。
BMIは以下の式で求められます。
BMI=体重(キログラム)÷(身長(メートル)×身長(メートル))
身長165センチ、体重60キロの人の場合、以下の式になります。
BMI=60÷(1.65×1.65)
=18.18……
目標とするBMIの範囲は、50歳〜69歳で20.0〜24.9、70歳以上で21.5〜24.9なので、もう少し太った方が健康的だといえるでしょう。
では、推定エネルギー量を見ていきましょう。
推定エネルギー量とは一日に必要だと考えられるエネルギー量のこと。
どのくらい身体活動を一日に行っているかで異なるので、自分のケースに合わせてご覧ください。
身体活動レベルが低い(生活の大部分が座っている状態で、あまり動かず、静的な活動が中心の場合)
普通(座っていることが中心だが移動したり作業をしたり通勤買い物家事軽いスポーツなどを行っている場合)
高い(立てることが多い仕事をしているスポーツなどを活発に行うなど運動習慣がある場合)
では、具体的に推定エネルギー量を見ていきましょう。
50歳〜69歳男性の場合、身体活動レベルが低い人は2100キロカロリー、普通の人は2450キロカロリー、高い人は2800キロカロリーです。
同じく女性の場合は低い人は1650キロカロリー、普通の人は1900キロカロリー、高い人は2200キロカロリーとなります。
70歳以上の男性の場合は、低い人は1850キロカロリー、普通の人は2200キロカロリー、高い人は2500キロカロリーです。
同じく女性の場合、低い人は1500キロカロリー、普通の人は1750キロカロリー、高い人は2000キロカロリーになります。
この基準をベースに、自分がどのくらいのタンパク質を摂取して良いのかの目安にしましょう。
タンパク質不足がもたらす影響とは?
最近は糖質制限ダイエットなど、糖質を極力摂取しないことで体重が減少するというダイエット方法がちょっとしたブームになっています。
もしかするとなかには挑戦した方がいるのではないでしょうか?
人がエネルギーとして使える栄養素は、炭水化物、タンパク質、脂質の3種類。
しかしすぐにエネルギーとして使えるのは「ブドウ糖」だけなのです。
ところが、糖質は少量のグリコーゲンとして肝臓や筋肉の中に蓄えているだけで、実は余分なエネルギーのほとんどは脂肪として体の中に蓄えられています。
エネルギーとして血中のブドウ糖を使ってしまうと、肝臓や筋肉の中に蓄えられているグリコーゲンを分解して使用します。
しかし、それほど量が多くないので、グリコーゲンもすぐに尽きてしまいます。
グリコーゲンまで尽きてしまうと、エネルギーが不足し、体がすぐに疲れてしまうのです。
人間の体の中で、ブドウ糖しか栄養に使えないのがの脳。
活動している時、休んでいる時を問わず、常に一定のペースでブドウ糖を燃焼しています。
脳だけで一日に120グラムものブドウ糖を消費するとも言われているのです。
そのため、糖質が不足すると脳や神経に栄養が行き渡らなくなり、判断力が低下し注意力が散漫になってしまうのです。
糖質を制限しすぎるのではなく、きちんとした量を摂取することを心がけましょう。
タンパク質はアミノ酸に。三大栄養素をおさらい
三大栄養素を聞かれてすぐに答えることができるでしょうか?
三大栄養素とは、炭水化物、脂質、たんぱく質のこと。
炭水化物はここまででご紹介してきた通りですが、脂質、タンパク質について簡単にご紹介します。
脂質はエネルギー源であるだけではなく、細胞膜を作ったり、脂溶性ビタミンを運んだりと様々な役割を担っています。
1グラムが9キロカロリーのエネルギーに変わると言われており、過剰摂取をしてしまうと高脂血症や肥満の原因になり、不足すると皮膚がカサついたり疲れやすくなったりもします。
タンパク質は体の中で分解されアミノ酸に変換されます。
アミノ酸はエネルギー源となるだけではなく、筋肉やホルモン、酵素など、体を作る材料にもなるのです。
1グラムあたり4キロカロリーのエネルギーに変わり、タンパク質が不足すると貧血や免疫力が低下する原因にもつながります。
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