イライラや倦怠感の原因に。脳疲れ解消でパフォーマンスアップ

注意力散漫、眠気、倦怠(けんたい)感、疲れやすい……。そんな体の症状は、脳の疲労からきているのかもしれません。疲れた脳を回復させ、〝脳疲れ〞の蓄積を防ぐための方法を紹介します。

現代の生活は脳が疲れがち

忙しい日々を送るビジネスパーソン。とりわけ経営者やマネジメント層は常に緊張状態が続くこともあります。最近の研究では、仕事や生活の疲労は、脳の神経細胞へのダメージが蓄積されることによって起こることがわかってきています。脳の自律神経中枢と呼ばれる部分で交感神経優位の状態が続くと、活性酸素の大量発生により神経細胞が疲弊します。すると、これ以上続けると体に害が及ぶという警報(生体アラーム)が疲労として体に現れるのです。
脳疲れの原因としては、主に「精神的なストレス」「睡眠不足」「偏った食事」「酸素の不足」などが挙げられ、生活習慣から見直すことが大切です。

睡眠が脳の働きを左右する

7時間の睡眠で疲れを解消

脳の疲れを取る唯一の方法は、十分な睡眠です。年齢にもよりますが、7時間の睡眠が必要で、6時間では脳が深刻なダメージを受けるとされています。どうしても睡眠不足になる場合には、日中に15〜20分程度仮眠するのが良いでしょう。

寝る環境を整えて質の良い睡眠を

質の高い睡眠を得るための環境作りにも気を配りたいもの。就寝前にスマホなどのブルーライトを浴びない、お風呂はぬるめの湯に入る、自分に合った快適な寝具を使うといった工夫が必要です。
寝るときの姿勢のポイントは〝横向き〞。仰向けで寝ると、気道が狭まり脳への酸素供給が不足します。すると、いびきをかきやすくなり、睡眠の質が悪化します。また、脱水状態も脳疲れの原因となるので、寝る前にコップ1杯の水を飲むこともおすすめです。

脳疲れをためない方法

現代には脳を疲れさせる要因が色々とあります。十分な睡眠を確保するとともに、日々の生活から脳の疲れをためないようにすることが大切です。

食事に気を付ける

バランス良く、規則正しい食事が基本。早食いは脳疲れのもととなるので、時間をかけてゆっくり食べましょう。「イミダペプチド」などの抗酸化作用のある成分は、疲労の原因となる酸化ストレスを緩和するので、これを多く含む鶏の胸肉などの食材を積極的に取りましょう。
また、酸っぱいものに含まれるクエン酸も、細胞がエネルギーを生むのに重要な役割を果たします。1日にレモンなら2個、黒酢なら大さじ1杯、梅干しなら2個を目安に、食事に取り入れましょう。

アクティブレストで疲れをためない

脳が疲れているときは、汗をかくほど運動するのはリフレッシュにはならず、かえって活性酸素を増やして疲れを倍増させてしまうことに。そこで注目されているのが、「アクティブレスト(積極的休養)」という疲労回復法です。
ウオーキングやジョギングといった有酸素運動やストレッチなど、汗をかかない程度に血流を促進させる運動が良いとされています。また、最近のジムでは、体と脳の疲労に着目し、瞑想(めいそう)などを取り入れたプログラムを行っているところもあります。

不要な意思決定を減らす

心理学者によると、人間が1日に使える意思決定の総量は限られているとか。その容量を超えると心がすり減って重要な事柄でも判断力が鈍り、生産性が低下してしまうといいます。なるべく不要な意思決定をしないようにする、意思決定をスピーディーに行うなどの工夫が必要です。
ちなみに、故スティーブ・ジョブズ氏がいつも同じデザインの服を着ていたことは有名ですが、これも決断の数を減らすためだったといわれています。