暑い日が続いていますが、エアコンの温度設定が低すぎたり、冷たい飲料を飲み過ぎたりして、夏にも「冷え」による不調を抱える
人が多いそう。自覚しにくいと言われる夏の冷えを、毎日の生活の中で解消しましょう。
不調のシグナルを見逃さない
この時季、疲れやすい、だるさが取れない、むくみが気になる、便秘がちなどの症状はありませんか? あてはまる人は、「夏冷え」している可能性があります。筋肉量が少ない女性の体は、冷えに弱いと言われています。また、冷えは冬だけのものと思って油断しがち。自覚しないままいつの間にか体が冷えてしまい、不調を招いている可能性があるのです。

原因は?
●体のシステムにトラブル
私たちの体は、寒暖の差に合わせて血流を微調整しています。また、夏は基礎代謝が低くなり、熱を必要以上に生み出さないようにして、暑さへの適応力をアップさせています。冬はその逆で、基礎代謝を高めて寒さへの適応力をアップさせます。
ところが、室内外の温度差が大きくなると、体は適応できなくなります。外気温が35℃以上の猛暑日、冷房の効いたオフィスが26℃とすると、温度差は9℃以上。自律神経が乱れて体温調節がうまくいかず、血流が悪化して体が冷えてしまいます。冷えることによって、内臓の働きが悪くなって免疫力が低下。めまいやだるさなどの症状を招きやすくなります。
●冷えを呼び込む生活習慣
朝はアイスコーヒーにランチは冷製パスタ、仕事終わりには冷えたビール──。冷たいものばかりとっていると、内臓の温度が下がって動きが悪くなり、消化吸収が低下してしまいます。お腹周りが冷えると、内臓の血行が悪くなって毛細血管が収縮します。そして、手足の先から冷えて、全身の冷えを感じるように。
また、暑いからとお風呂で温まらずにシャワーだけで済ませてしまうと、体に入り込んだ冷えはリセットされません。夏ならではの生活習慣が、体に冷えを呼び込んでしまうのです。
無理なくできる冷え解消法
●食生活編/メニューにちょい足し
体を温める効果が期待できる「しょうが」を、夏の冷えにも活用しましょう。食事にプラスするときに便利なのが、乾燥させたしょうがを粉末にしたしょうがパウダーです。紅茶やほうじ茶などの飲み物やスープに加えたり、ドレッシングに混ぜてサラダにかけたりと、幅広く使えます。
●ファッション編/インナーも身に着けて
薄手のカーディガンを持ち歩きましょう。さっとはおれるだけでなく、ストールのように巻いて首周りをガードすることもできます。また、汗は蒸発して体の熱を奪います。インナーを着ておけば、外出先からエアコンの効いた室内に入ったときなどに汗を吸い取ってくれるので、体を冷やしにくくなります。お薦めは、肌触りがよく吸湿性の高いシルク、綿、麻などの天然素材でできたもの。最近注目されている高機能インナーも効果的です。
●外出編/温めグッズの活用を
手軽に活用できるのが貼るタイプの使い捨てカイロ。肩甲骨の間と腰、下腹部の3カ所に張ると、効率よく温めることができます。オフィスでも使える小さめの温めグッズも活用しましょう。ひざ上に載せやすいミニ湯たんぽに、パソコンのUSBに差して発熱させるクッションやブランケットなどは、冷えを感じたときにさっと使えて便利です。
●入浴編/ぬるめのお湯にゆっくりと
シャワーで済まさず、37~38℃程度のお湯をおへその辺りまではり、ゆっくり浸かりましょう。暑い日でも無理なく入浴できる上、体の芯がポカポカしてきます。冷えを強く感じるときには、炭酸入浴剤を使うと、血流がアップしてより温まります。
●運動編/ちょこっと運動を取り入れる
運動は新陳代謝を活性化し、体温を上げてくれます。通勤時に1駅分歩く、エスカレーターを使わず階段を利用するなど、日常生活の中で少しでも運動を取り入れましょう。
