アウトドアを楽しんでいるときは、つい気分が開放的になり、思わぬけがをしてしまうことがあります。自然の中は、日常生活と比べ
ると危険が多いもの。「海や山で起こりやすいケガ」の応急処置を覚えて、安全にアウトドアを楽しみましょう!
野外でレスキュー
ガラスなどで切った!
流水で傷口をよく洗い、ガラスなどが残っていれば、静かに抜くこと(絶対に無理に抜かないこと)。抜いた後は、周りの血を少し絞り出してから消毒し、清潔なガーゼなどを当て、包帯をします。抜けなかったり、残ってしまったりしたら、清潔な布で傷を押さえたまま病院へ。小さなケガでも出血が止まらなかったら病院へ。
花火でやけどした!
花火以外にも、車やバイクの鉄板部分、バーベキューの網などでのやけどに注意しましょう。やけどをしたら、肌に直接または服の上から冷水で冷やしてください。痛みがとれて、赤くなった程度であれば様子を見てもよいですが、広範囲にわたるやけどだったり、水ぶくれができたり、関節部分のやけどの場合は病院にいきましょう。
海でレスキュー
クラゲにさされた!
患部は絶対にこすらずに、刺胞(毒針)が張り付いたままであれば、丁寧に取り除きます。次に海水で患部を洗います。このとき、真水を用いると、浸透圧の影響で刺胞が刺激されて毒が出る可能性があるので、海水を用いること。症状が軽い場合は、冷やしたり、抗ヒスタミン系の外用薬を使用したりしましょう。強い痛みや全身症状が出たときは速やかに医療機関を受診してください。
水中でふくらはぎがつった!
まず落ち着いて、体を丸めて水面に浮くようにします。次に、息を吸い込み、水中に顔をつけて、つったほうの足の指をつかみ、ゆっくりと手前にそらせて、筋肉を伸ばします。この動きを痛みが治まるまで続けます。一度つったところはまたつりやすいので、痛みが治まったら、その部分をよくマッサージして、ゆっくりと陸上へ向かいましょう。

熱中症に注意!
海やプールに入っていると体は水の中なので油断しがちですが、熱中症になる危険があります。熱中症になってしまったら、風通しのよい日陰、冷房の効いている室内に移動し、体を休めること。冷たい水やタオルで首、脇の下や足の付け根にあてて体を冷やすこと。水分補給も必須。症状が重い場合は、早急に医療機関を受診しましょう。
山でレスキュー
ブヨに刺された!
主に川沿いに多く生息しています。刺されたときは蚊と同じようにチクっとする程度ですが、刺されたらすぐにかゆみ止めを塗ること。翌日から患部が腫れあがり、熱を持って、強いかゆみを感じるようになります。症状には個人差がありますが、ひどいときには放置せずに、早めに医療機関を受診しましょう。
毛虫に触った!
毛虫には毒性のある毛をもつものがあり、触れたり、近づいたりすることで、激しいかゆみ、赤い湿疹が生じることがあります。毛虫に触れてしまった場合は、ガムテープなどで毒針毛を取り除き、患部は水で洗い流しましょう。また洗濯物などに毛虫がついている場合もあるので注意してください。
ハチに刺された!
ハチが攻撃的になっているときはカチカチと音を発するので、その音が聞こえれば注意してゆっくりとその場から離れるのがベストです。ハチは黒い色を好む傾向があるので、頭を隠すようにして低い姿勢をとること、また匂いに対して攻撃的な性質があるので、香水や匂いのきつい整髪料などの使用は控えましょう。
ハチに刺されたら、傷口を流水で洗い、指で挟んで毒を絞り出します(口では吸わないように)。
最も怖いのは、アナフィラキシーと呼ばれるショック症状。呼吸困難や血圧低下などを起こし、危険な状態になることもあります。アナフィラキシーショックは極めて短時間で起こるので、少しでも様子がおかしいと感じたら、救急車を呼ぶなど速やかに対処してください。
ねんざした!
転落や転倒によって、足首、手首、膝をねんざした場合は、テープ、包帯、ハンカチなどで患部を固定し、痛みや腫れがやわらぐまで、患部を冷やします。保冷剤をあてたり、氷水を入れた袋を当てたり、氷水を入れたバケツに患部をつけたりするとよいでしょう。

マダニに要注意!
マダニにかまれてウイルス感染により発症する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による被害が発生しています。マダニは主に野山に生息します。予防のためには、肌を露出しないこと、首もタオルなどで覆いましょう。肌にかみついたマダニは無理に取ろうとすると一部を残してしまうことがあるので、医療機関で取りのぞいてもらいましょう。
