梅雨の頭痛対策

ジメジメとうっとうしい梅雨は、気持ちが沈みがちなだけでなく、体調も崩しやすい時季。特に頭痛を訴える人が多いようです。なぜ雨の日に頭痛が起こりやすいのでしょうか。原因や対処法を知っておきましょう。

梅雨に頭痛が増えるメカニズム

梅雨時季に多い頭痛として、偏頭痛と緊張性頭痛があげられます。偏頭痛が増えるのは、低気圧が関係しているといわれています。雨が多く低気圧の日が続くと、頭蓋骨内の圧力が変化し、血管が収縮、それを戻そうと拡張する際に、血管の周囲にある三叉(さんさ)神経を刺激してしまい、頭痛が起こると考えられています。
緊張性頭痛は、湿度が高く気候が不安定なシーズンであるため、体が気候の変化に対応できず、自律神経が乱れるため起こりやすいと考えられます。また、梅雨の時季の急な冷えや、エアコンで体が冷やされることによって、肩や首が凝ることでも頭痛を引き起こします。

頭痛別の対策

●偏頭痛

片側、あるいは両方のこめかみから目にかけて、ズキズキと脈打つような痛みが4~72時間程度続きます。ひどい場合は吐き気を伴うことも。普段は気にならない程度の光や音に敏感になることもあります。女性は特にホルモンの影響で偏頭痛になることが多いと言われています。

【対処法】

・痛い場所を冷やす

頭の血管が拡張することで痛むので、痛む場所を冷やすのが効果的です。冷却シートや冷やしたタオルをこめかみなど痛む場所に当てます。温めると血管が拡張してより痛みが悪化するので、マッサージやお風呂など、体を温めることは控えましょう。

・静かな暗い場所で安静に

光や音の刺激は脳の活動を活発化させて血管を拡張させます。テレビ、パソコン、スマートフォンなどは見ずに、静かな暗い部屋で休みましょう。

・コーヒー、紅茶を飲む

カフェインには血管を収縮させる作用があるので、コーヒーや紅茶、緑茶などを飲んでから休むのも効果的です。ただし、長期的に、また大量にカフェインを摂ると、かえって頭痛を悪化させることがあるので、1日に3杯程度を目安にすること。

・病院で受診

偏頭痛のピークは1~2時間といわれ、いったん治まると痛みが消えます。そのため、痛いときだけ鎮痛剤を飲んで済ませる人も多いようですが、痛みが頻繁に起こる、市販薬が効かない、頭痛がひどくなったなどの症状がある場合は医療機関に相談しましょう。

●緊張性頭痛

頭の周りを締め付けられているような鈍い痛みがするのが特徴です。幅広い年齢層で見られ、痛みも、30分程度から7日間続くなどさまざま。首から肩、背中にかけての筋肉や頭の筋肉が緊張すること、または精神的ストレスが原因で起こるといわれ、めまい、ふらつきなど全身の症状が出ることもあります。

【対処法】

・体を温める

血行をよくすることが大切です。入浴の際は肩までしっかりお湯につかりましょう。首や肩を蒸しタオルなどで温めるのも効果的です。

・ウオーキング、ストレッチなどの運動をする

適度に体を動かして、筋肉をほぐすと痛みが軽くなる場合もあります。デスクワークが多い人は、立って少し歩いたり、軽くストレッチしたりするなど、同じ姿勢を長時間続けないようにしましょう。

●薬の飲みすぎに注意

長期間頭痛が続くからといって毎日頭痛薬を飲んでいると、かえって頭痛がひどくなることがあります。頭痛薬を月に10日以上飲んでいたり、頭痛薬が効かなくなってきたと感じたりする場合には「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」に陥っている可能性もあります。医療機関に相談しましょう。

頭痛予防に効く栄養素、食べ物は

・マグネシウム

偏頭痛解消に有効とされているのがマグネシウム。バナナ、ナッツ類、大豆製品などに豊富に含まれています。

・鉄分

鉄分が不足すると細胞に酸素が供給されず、細胞がエネルギーを生み出せなくなります。結果、頭痛が起こったり、疲労感を感じたりする原因に。ほうれん草などで鉄分を摂りましょう。