もし尿酸値が上がったときに考えられる病気は?

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また、尿酸は食べ物由来の外因性プリン体と、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)などの核酸の分解でできた内因性プリン体が原料。
最近の研究では、尿酸自体に、さまざまな疾患をもたらす元凶である酸化ストレスから、我々の体を守ってくれる作用があることも分かっています。
これらのことから、過度に尿酸を避けるのもよくない、ということがわかりますよね。とはいえ、尿酸が基準値以上(高尿酸血症)の場合、関節内に尿酸が溜まってしまいます。
尿酸値が高いと「痛風」になる。
なんとなくそんなイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかし、高尿酸血症によって引き起こされる病気は痛風だけではありません。心血管疾患や慢性腎臓病など、「動脈硬化」に関連するような疾患のリスクも高めてしまうのです。
血液中の尿酸値が高い状態が継続すると、関節内に「尿酸塩」として蓄積されてしまいます。関節内に蓄積された尿酸塩が痛風の原因。これによって痛風発作が引き起こされるのです。一般的に関節などが痛くなる痛風発作は、急性の関節炎で、足の関節に多いと言われています。痛風の人が足を痛そうにしているのはこれが、足の関節に尿酸塩が溜まりやすいからというわけです。
一般的に痛風の診断には関節鏡などで、関節内の尿酸塩を確認する手法が取られていますが、これは身体を傷つける検査であるため、必ずしもすべての症例で行われているわけではないそうです。また、痛風発作時の血中尿酸値は低くなることが多いそうで、痛風発作時の尿酸値よりも、「高尿酸状態がどれだけの期間継続していたか」ということがとても重要になります。
一般的には治療を行わずとも、1週間から2週間程度で自然に良くなると言われていますが、多くの人は再発してしまいますよね。だからこそ平時の血中の尿酸値を下げることが、痛風発作の再発予防につながるのです。
すでに高尿酸血症の方は、プリン体から尿酸代謝時に産生される酸化ストレスと、尿酸の影響で血管の内皮細胞の障害が起きている可能性も考えられます。
先ほども述べましたが、多くの疫学研究で尿酸の値が高いと高血圧、脳卒中、心血管疾患、慢性腎臓病のリスクがあることが示されています。こうした疾患を予防するという観点においても、高尿酸血症を改善させるというのはとても重要なのです。
一方で血中尿酸濃度が低い、つまり低尿酸血症(尿酸値が2.0mg/dL以下)も良いわけではありません。低尿酸血症の原因の多くは腎臓で尿酸の排泄が過度に進行しているため。低尿酸血症の場合は、無酸素運動などの激しい運動後に急性腎不全を合併する頻度が高いことがわかっています。
こちらに関してはまだ完全にメカニズムが明らかになっているわけではありませんが、現在のところ、腎臓の血液不足が原因であると考えられています。
高尿酸血症の対策
高尿酸血症は産生過剰型と排泄低下型、ふたつのタイプに分類されます。遺伝的に高尿酸血症になってしまう方もいますが、多くは生活習慣に依存するそうです。
産生過剰型の場合、肉や魚介類などのビールやアルコールの摂取をはじめ、果糖の過剰摂取などが原因になりやすいそう。産生過剰型の高尿酸血症の方は、食生活の見直しが求められます。
尿酸の尿中への排泄低下の原因も生活習慣が多くを占めます。肥満や糖尿病などによるインスリン抵抗性やアルコールが原因であると考えられています。
プリン体を気にして、プリン体が含まれていない焼酎などのアルコールを摂取しても尿酸値が上がる可能性があるので、十分注意する必要がありそうです。
低尿酸血症の対策
現在の常呂、低尿酸血症の対策について、きちんと婚強のある研究はありません。しかし、腎臓の血液不足を予防するためには、運動をする前には充分な水分を摂取する、痛み止めなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤の使用を控えることが推奨されています。
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