暑い日はテレビやラジオで「熱中症に気を付けてください」という案内が頻繁に流れるようになりました。
また、全国各地で何名の方が熱中症で亡くなった、というのも盛んに報道されていますよね。
なんとなく熱中症の症状は覚えているけど、実際に自分が患ってみると「この症状が熱中症なのか」、判断できないときもあります。
今回の記事では熱中症について詳しくご説明します。
子どもから老人まで誰にでも可能性がある!症状が出た時の応急措置は?熱中症の代表的な症状は?インナー、衣服は緩めよう

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熱中症になると、初期症状としてめまいや立ちくらみのほか、一時的な失神があります。
これは熱失神とも呼ばれており、屋外の太陽の下だけでなく、暑い室内、長時間労働、スポーツなどで体内に熱がこもって(溜まって)起こるものです。
原因は脳への血流が減少し、脳の温度が上昇すること。
詳しいメカニズムをみていきましょう。
暑さで体温が上昇すると、人間の身体は熱を外に逃がして体温を下げようとします。
このとき、皮膚の血管が拡張するのです。
血管が拡張すると、血液の量が相対的に減少し、血圧が低下し、脳への血流が減少してしまいます。
血液や血圧の変化によって顔から血の気が失せて、めまい、立ちくらみ、失神といった熱失神の症状が現れるのです。
熱失神状態になると呼吸数も増え、脈は速くなって、さらに弱くなって、唇もしびれてきます。
めまいや失神だけが起こることは少なく、全身のだるさや吐き気、実際に嘔吐、頭痛などを伴うことも多いようです。
熱失神を起こすと、脳への血流が足りなくなるため、バタンと倒れるように気を失うこともあるので、転倒したときにケガをしたり、打ち所が悪いと重篤な症状を引き起こしたりします。
家族や友人などに、こうした熱失神の症状が現れたら、意識がはっきりとしているかをまずは確認しましょう。
意識がはっきりとしていない、もうろうとしている場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
意識がはっきりしている場合は、まず安全で涼しいところへ。
自分の足で歩けてもめまいや立ちくらみ、失神による店頭などに注意し、頭を打たないよう注意を払い、可能ならふたりで脇を抱えるように移動するのが良いでしょう。
次に横になって休ませましょう。
横になるときは足を10センチほど高い位置に置いて、心臓に血液を戻せるようにしましょう。
足を高くすることで血圧も上がるため、脳への血流改善が期待できます。
このとき衣服はなるべく緩めて、風通しをよくすると良いでしょう。
その後は保冷剤などで身体を冷やしましょう。
冷やすときは静脈が基本。
静脈が通る首筋、脇の下、足の付け根などが有効です。
また、スポーツドリンクや塩分濃度0.1%~0.2%の食塩水を飲ませるのではなく、自分で飲ませましょう。
身体から失われた水分を取り戻すことで身体の機能を回復させます。
自分で飲めない、嘔吐感がある場合は医療機関を受診するようにしましょう。
それでも症状が改善しない場合はすぐに医療機関へ。
早急な治療が求められます。
熱中症の種類
熱失神のほかにも、熱中症には「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」があります。
「熱けいれん」は大量に汗をかいたとき、水だけを補給し、血中の塩分濃度が低下することが原因。
筋肉痛だったり、手足がつる、筋肉がけいれんする、といった症状が現れます。
「熱疲労」は大量に汗をかき、水分補給が追いつかないときに発生。
脱水状態になるため、起こります。
熱疲労は全身の倦怠感、悪心・嘔吐、頭痛、集中力・判断力の低下が起こります。
「熱射病」は体温が上昇したため、中枢機能に異常をきたした状態。
意識障害がみられたり、ショック状態になる場合もあります。
熱射病は体温が高くなったり、意識障害が起こったり、呼びかけや刺激への反応が鈍かったり、言動が不自然だったりします。
深刻な症状なので、応急処置を試したのち、すぐに医療機関を受診しましょう。
日射病・熱中症・熱射病の違い
ちょっと前まで、暑さによる症状は「日射病」「熱射病」なんて言っていましたよね。
熱射病はうえで紹介した通りですが、最近は日射病という言葉、聞かなくなりました。
代わりに聞くようになったのが熱中症です。
一体何が異なるのでしょうか?
ここまでご紹介したとおり、熱中症と一言で言ってもさまざまな症状があります。
熱中症とは「熱失神」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」の総称なのです。
日射病は「熱射病」のなかで太陽光が熱源になっているものを指すそう。
日射病は熱中症のなかの、熱射病のなかの、太陽光による原因だけを指す言葉なので廃れていったそうです。
最近では太陽光以外にも熱中症になる可能性が高くなってきたことから、徐々に言わなくなったのですね。
室内でも熱中症になることはある!

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今年も暑い季節がもうすぐやってきます。
暑い季節につきものなのが熱中症ですが、熱中症は屋外だけで起きるわけではありません。
室内でも熱中症になる可能性は大いにあるのです。
大分県では2015年に熱中症で病院に搬送された人は600人弱だったのに対し、2018年はなんと1,052人。
ものすごく数が増えていますよね。
2019年5月は、12日までに17人が搬送されているそうです。
搬送された17人のうちわけは高齢者が12人。
50代の男性は、駐車していた車内で体調不良になったそう。
熱中症は屋外だけで起きるわけではありません。
原因の部分で詳しくご紹介しましたが、周囲の温度が上がって汗をかけなくなったり、身体のなかの水分やナトリウムが不足しても発生するのです。
室内だからと安心せずに、熱中症には気をつける必要がありそうです。
熱中症を予防するためには?帽子などの熱中症予防グッズを活用?飴・飲み物は何がいい?有効な食べ物は?

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そんな熱中症を予防するには涼しい室内にいる、というのは基本ですがこまめな水分補給とともに、適度な塩分補給も大切です。
特に暑い夏場は喉が渇いていなくとも、こまめに水分を補給しましょう。
スポーツドリンクなどの塩分・糖分を含んでいる飲料は身体への吸収がスムーズなのでオススメ。
汗をかいて失われた塩分も補給できます。
また、塩分補給も大切です。
たくさんの塩分を摂取する必要はありませんが、失われた塩分は摂取しましょう。
普段の食事から適度な塩分摂取を心がけるのが大切です。
ただし、病気などでかかりつけ医から塩分量などの指示がある場合は、そちらに従いましょう。
塩分を効率的に摂取するには「塩飴」がオススメ。
バッグにひとつ、ふたつ忍ばせておいても良いでしょう。
そして寝る環境を快適に保つことで、余分な体力を使わずに済みます。
ニトリから発売されているN-coolのようなひんやり寝具を使ってみたり、エアコン、扇風機を使い室温を最適に保つことで、睡眠時の熱中症を予防できます。
また、快適な温度・湿度に保つことで、ぐっすりと眠れ、体力も回復するでしょう。
何より肝心なのが丈夫な身体作りです。
ビタミン、ミネラル、塩分などバランスの良い食事を日々心がけ、夜はしっかりと眠るなど体調管理に努めましょう。
体力が落ちているときこそ熱中症リスクは高くなります。
つけいる隙を与えないほど、万全の体調にしましょう!
熱中症は死にもつながる恐ろしい病気。
日頃からしっかりと対策をして、熱中症にならない身体作りをしましょう。
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