冬は寒さによる血管の収縮から、普段より血圧が上がりがち。さらに鍋やスープ類など塩分の多い食事が増える傾向にあるので、高血圧が気になる方は、減塩を心がけましょう。
冬の高血圧、減塩で予防
これからますます寒くなる時期、健康面で特に気をつけたいのが血圧です。
血圧は1日の中だけでなく季節によっても変動します。体が寒さを感じると、体温の発散を防ごうとして血管は収縮し、血管により圧力がかかるため、血圧が上がりやすくなるのです。
また、忘年会、新年会などで暴飲暴食が続くこと、鍋料理や汁物など冬の定番料理には塩分が高めなものが多いこと、運動不足になりやすいこと、年末年始の忙しさでストレスが多いことなども高血圧につながるので、しっかり対策を立てましょう。
高血圧を改善するためには、原因のひとつといわれる「塩分のとりすぎ」に十分注意することが大切です。

塩分と血圧の関係
摂取した食塩は体内でナトリウムと塩素にわかれます。血液中のナトリウム濃度が高くなると、それを薄めるために体内の水分が血液中に移動し、血液量が増えます。すると、血管の壁にかかる圧力も大きくなり、高血圧になるのです。
実践しよう、減塩生活
和食は世界的に見てもヘルシーなイメージですが、しょうゆやみそなどを用い、塩分がとても高いのも特徴です。また近年は、ファストフードや外食、加工食品を利用する人も多く、塩分の摂取量は多くなっているそうです。
日本人の1日あたりの平均塩分摂取量は男性で11.1g、女性で9.4g。厚生労働省が挙げている「1日あたりの塩分摂取量の目標値」は男性で8g、女性で7gです。また、高血圧学会の推奨値は6g未満、WHO世界保健機関の目標値は5g未満となっています。
減塩すると薄味に感じ、最初は物足りないかもしれませんが、次第に素材本来の味が楽しめるようになるはずです。まずは「マイナス3g」の減塩を始めましょう。
減塩のポイント
● 調味料はつけて
しょうゆなどの調味料を直接かけると量が多くなるので、小皿に入れてつけて食べるようにしましょう。
● 調味料を選ぶ
できるだけ塩分が少ない調味料を使うこともポイント。
大さじ1あたりの塩分量は、濃い口醤2.6g、ぽん酢1.5g、ウスターソース1.5g、中濃ソース1.0g、ケチャップ0.5g、マヨネーズ0.3g、お酢0g。
豆腐には醤油よりポン酢、コロッケにはウスターソースよりケチャップ、など定番の組み合わせを変えることで塩分を控えましょう。
● 薬味などを活用
刺身にはワサビと大葉、鍋の具にはネギやショウガ、カイワレ、揚げ物にはレモン、焼き魚には大根おろしとショウガなど、調味料ではなく薬味を利用しましょう。
● 麺類のスープは飲まない
麺類のスープには塩分が多く含まれるので、できるだけ飲まないように。ラーメンのスープを全部飲むとそれだけで5g程度の塩分摂取になります。
● 加工食品に注意
漬物などは塩分が多く含まれるので、控えめに。
● 減塩食品を選ぶ
しょうゆや味噌などの調味料のほかに、お菓子やカレールーなどでも減塩タイプが市販されています。
摂り過ぎた塩分を排出
塩分を控えようとしても、外食が続くと難しいことも。そのようなときは、摂取した塩分を排出させるカリウムをしっかり摂取するようにしましょう。カリウムは必要以上の量を摂取すると、汗や尿として排出されますが、このとき、塩分の主要素であるナトリウムも一緒に排出する働きがあります。カリウムは、野菜や果物、豆類、海藻などに多く含まれます。特に多く含まれるのが、ほうれん草、じゃがいも、大豆、わかめ、納豆、アボカド、りんご、キウイフルーツ、バナナなど。野菜ジュース、トマトジュースなどにも多く含まれるので、成分表示をみてカリウムが多いものを選ぶとよいでしょう。
