いいことずくめ!たくさん食べたい旬の柿

ことわざで「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、体によいとされる柿。実には栄養素が豊富で、アルコールの分解を促すので二日酔い対策にも。葉は健康茶として用いられるなど、捨てるところがありません。

神々の食べ物

柿の学名は「ディオスピュロス・カキ」、神々の食べ物という意味で、柿の実には健康によい栄養素が豊富に含まれています。肌の健康維持に役立つビタミンCの量はミカンの2倍、レモンの1.4倍。柿の果実の朱色は、リコピンやβークリプトキサンチンなどのカロテノイドで、抗酸化力をはじめ、さまざまな健康機能性が注目されています。また、ナトリウムの排出を促すカリウムも豊富です。塩分摂取量が気になる人は、積極的に食べたい果物です。

干し柿にすると

干し柿にすると、ビタミンCは失われてしまいますが、カロテノイド、カリウムは生柿の3倍以上にアップします。食物繊維はケタ違いに増えて、干し柿1個(50g)にはバナナ6本分の食物繊維が含ま
れており、食品のなかでもトップクラスの含有量です。表面に浮き出る白い粉は「柿霜(しそう)」と呼ばれ、喉の痛みを癒やす働きがあるとされています。ただし、100gあたりのカロリーは、生柿の4〜5倍になるので、食べ過ぎには注意が必要
です。

柿の葉は健康茶に

柿の葉茶は、柿の葉を乾燥させて粉砕したもので、煎じるとまろやかな味わいを楽しむことができます。柿の葉の注目すべき栄養素はビタミンCで、品種や時期によって変化しますが、実の2〜20倍ほどのビタミンCが含まれています。さらに、柿の葉には、柿タンニン以外にも、さまざまなポリフェノールが含まれており、高血圧予防や花粉症の症状緩和に関する研究が進められています。柿の葉を利用した「柿の葉寿司」は、奈良県、和歌山県、石川県の郷土料理として知られています。

捨てるところなし

柿のヘタは昔から「しゃっくり止め」の薬として知られています。乾燥した柿のヘタは「柿蒂湯(していとう)」という漢方薬として販売されています。また、柿の樹木は「黒柿」として工芸用の材料に活用されています。

甘柿と渋柿

日本には約1000種類の柿の品種があるといわれ、そのうち樹の上で自然に脱渋して甘くなる「完全甘柿」は10数品種。
「富有(ふゆう)」「次郎」「早秋」「太秋(たいしゅう)」「御所柿(ごしょがき)」などが代表的な品種です。「不完全甘柿」は、種子ができると甘柿になるもので「西村早生(にしむらわせ)」「筆柿(ふでがき)」「禅寺丸(ぜんじまる)」など。「不完全渋柿」は、種子ができても渋みが残るもので「刀根早生(とねわせ)」「平核無(ひらたねなし)」「甲州百目(こうしゅうひゃくめ)」など。「完全渋柿」は樹上で脱渋することはなく、干し柿にするか、アルコールや炭酸ガスで渋を抜いて食します。代表的な品種には「愛宕(あたご)」「西条」「市田柿(いちだがき)」などがあります。

柿を食卓に!

豚と柿の炒め物

豚ヒレ肉、柿を棒状に切りゴマ油で炒め、ゆでた小松菜を加えてさらに炒め、酒、しょう
ゆ、一味唐辛子で味付けする。

柿のカプレーゼ

柿とモッツァレラチーズを厚さ5㎜くらいにスライスし、交互に並べてオリーブオイルを垂らし、塩と黒コショウを振り、バジルをトッピング。